謹賀新年
今年こそ作家になるぞ!
年末年始は創元社のSF短編賞の応募締め切りに間に合わせるために、ひたすら小説を書いていました。
なんとか間に合いましたが、正月気分を味わえなかったなぁ 残念。 でもこれも春に笑うため。
今年の応募作は我ながら結構面白いと思うのです。
なろうなろう あすなろう 明日は檜になろう
年末年始は創元社のSF短編賞の応募締め切りに間に合わせるために、ひたすら小説を書いていました。
なんとか間に合いましたが、正月気分を味わえなかったなぁ 残念。 でもこれも春に笑うため。
今年の応募作は我ながら結構面白いと思うのです。
なろうなろう あすなろう 明日は檜になろう
電子書籍
今月は日本製ブックリーダーの発売ラッシュですね。作家志望としては、今後の傾向と対策をねる意味でもとりあ
えず購入しなければとおもっとります。
個人的に気になるのはシャープのガラパゴスです。開き直ったネーミングは賛否ありそうですが。
ソニーのリーダーはサイズが二種類あるのに大きさが一インチしか違わないという。どちらも小型の物。?です。
自分は新聞や定期購読の雑誌を読むのがメインになると思うので大きいのが欲しいですね。使った事があるわけで
はないのであくまでイメージですが、文庫サイズの端末で雑誌を読むのはストレスが溜まるような気がします。
しかしこういった物はコンテンツ次第ですよね。いくら使い勝手がよくても読みたいものが読めないようでは本
末転倒ですし。Newtonの別冊が何冊かiPad用で出ているのですが今後他の端末にも対応していくのでしょうか?
うーん、購入もう少し待ったほうがいいかなぁ。
それとは別にネットブックも欲しいんですよね。ATOMのデュアルコアのCPUが出てから激しく欲しいのです。
VAIOのPにデュアルコアが載ったら完全に買いですね、自分としては。
といいつつ結局どれも迷うだけ迷って買わない気がする・・・
えず購入しなければとおもっとります。
個人的に気になるのはシャープのガラパゴスです。開き直ったネーミングは賛否ありそうですが。
ソニーのリーダーはサイズが二種類あるのに大きさが一インチしか違わないという。どちらも小型の物。?です。
自分は新聞や定期購読の雑誌を読むのがメインになると思うので大きいのが欲しいですね。使った事があるわけで
はないのであくまでイメージですが、文庫サイズの端末で雑誌を読むのはストレスが溜まるような気がします。
しかしこういった物はコンテンツ次第ですよね。いくら使い勝手がよくても読みたいものが読めないようでは本
末転倒ですし。Newtonの別冊が何冊かiPad用で出ているのですが今後他の端末にも対応していくのでしょうか?
うーん、購入もう少し待ったほうがいいかなぁ。
それとは別にネットブックも欲しいんですよね。ATOMのデュアルコアのCPUが出てから激しく欲しいのです。
VAIOのPにデュアルコアが載ったら完全に買いですね、自分としては。
といいつつ結局どれも迷うだけ迷って買わない気がする・・・
終末はこうして訪れる(小説)
神は風呂嫌いであった。余程気が向かない限り、入ろうとしない。「臭いましゅから」
と天使がいくら注意しても何処吹く風。四六時中何処かしらをボリボリトやっている。ま、要するにズボラなのである。
それでも神様、掻いた後には息を大きく吸い込んでフケやら垢やらを彼方まで吹き飛ばすようにはしていた。一応そのあたりは天使に気を使っているようなのである。
「大変でしゅ神しゃまぁ!」天使が興奮した面持ちで食事中の神の元にやってきた。
「なんじゃいミハイル。忙しない奴じゃのう」
「神しゃま、この間いちゅものように掻き毟った後、老廃物をそのまま放置しゃれたのではないでしゅか?」
「いや、なんじゃその・・・偶々掃除し忘れただけじゃないか。わしじゃって呆けることぐらいある、な。年も年じゃし。いつもいつもそうなら責められても仕方ないかもしらんが・・・」
「注意しに来たのではありましぇんよ神しゃま!神しゃまが放置なしゃった老廃物に異変が起こったのでしゅ」
「異変?はて、一体何かのう」神は頭をボリボリと掻いた。
「しょれがどうやら生命が誕生したようなのでしゅ」
神は天使の後について件の現場に行ってみた。
「ここでほら、ザワザワと何やら音が聞こえまちぇんか?あしょこのフケから発っしゃれているのでしゅ」そう言って天使は一点の空間を指差した。
「わしの視力じゃ何も見えんぞい。拡大してくれ」
天使が手で大きく円を描いて対象物を拡大してみせると、神の目の前に燃え盛る小さな球状の物体とその周りを回るさらに小さな幾つかの球が映しだされた。
「わしは自分のフケを拡大して見たのは初めてじゃ。こんな風になっとるのか。然し何でぐるぐる回っとるのじゃろ」
「おしょらくパズルに興じる神しゃまの脳波が伝染してしまったのでちゅ。神しゃま、あの青い球が見えましゅか?」
神は目を凝らして目の前の老廃物を探った。「おお、あったあった。見えるぞい」
「あの球でしゅ。さらに拡大してみましゅよ」再度天使が手で円を描くと、二人の眼前に全身毛むくじゃらで棍棒を手にした類人猿が現れた。「彼等でしゅ」
「ほう、こりゃたまげた。いや、本当に。こやつらどのぐらいの知能があるのじゃ?あ、殴り合いを始めおった。野蛮な奴らじゃのう」
「どうやら縄張り争いを始めたようでちゅね。惨たらしいので此処を後にちて彼等の住居を見てみまちょう」
景色が変わり、洞穴が映し出された。
「奴らは此処に住んどるのか?」
「中を見て下ちゃい、神しゃま」仄暗い洞穴の中では、雌猿が子供をあやしていた。「壁をみて下ちゃい神しゃま」
神は壁に目をやった。「これは絵じゃな。動物か?へったくそな絵じゃのう。然しミハイル、こ奴等面白そうじゃぞ。暫く観察する事にしよう。退屈しのぎにはぴったりじゃて」
こうして垢から生まれた奇妙な生命の観察が神の余暇に加わった。好奇心に富んだ彼等の行動は何時でも神を驚かせた。
そのうち彼等は文字を開発し、言葉を操るようになった。それにより、より円滑に他者とのコミュニケーションをとる事が可能となり、彼等の生活はより社会性を帯びていった
「ミハイル、こいつ等暦を定めたぞい。あの燃えさかる球があろう?」
「神しゃまの癇癪が反映しゃれたであろう球でちゅね」
「そんな事はどうでもええんじゃて。こ奴等、自分達が居る球が一回転すると一日、火の玉が自分達の周りを一周すると一年、というように定めたんじゃ」
「?逆でしゅよ、神しゃま。火の玉の周りを回っているのでしゅ」
「こ奴等はそうは思ってないんじゃて。ん?面白いな。猿共の言うように変えてやろうか。ほれ、ちょいちょいっと」こうしてこの時から太陽は地球の周りを回るようになった。
「神しゃまぁ」散歩をしている神の元に天使がやって来た。
「なんじゃミハイル」
「猿が地動説を唱えておりましゅ」
「地動説?なんじゃそら」
「火の玉(太陽)が青球(地球)の周りを回っているという天動説に対して、青球(地球)が火の玉(太陽)の周りを回っているというのが地動説でしゅ」
「なんじゃい、今更元に戻せ言うのか?ほっとけ」
暫くしてまたミハイルがやって来た。「神しゃまぁ。猿達が望遠鏡という細長い筒を使って、球を拡大して観察しているでしゅ」
「ふむふむ、それで?」
「一匹の猿がその筒を使い、神しゃまのオナラから成る球(木星)にちいしゃい子分の球があるのを発見したのでしゅ」
「それがどうしたいうんじゃ?」
「天動説によると、青球(地球)が火の玉(太陽)の周りを回るとすると、青球(地球)の子分の小球(月)は何処かに飛んで行ってしまう。らしいのでしゅが、この猿は、もししょうであるのなら火の玉(太陽)の周りを回っている筈の、このオナラ球(木星)の子分がすっ飛んでしまわないのはおかしいと考えたのでしゅ」
「何もおかしくないがな。難しい事を考えよるのう・・・」
「今、別の猿がこの猿の説が正しい事を証明しようとしているのでしゅ」
「うーむ。まあええわ。元に戻してやるとするか」
こうしてまた、地球は太陽の周りを回るようになり、ニュートンはケプラーの法則から万有引力の法則を発見した。
「神しゃまぁ」昼寝をしている神の元にミハイルはやって来た。「神しゃま起きて下しゃい、神しゃまぁ」
「うーん、寝させてくれ」
「猿達が光の正体を突き止めましたよ」
「そうか、そりゃよかった」神は寝たままで答えた。
「神しゃまは光の正体は何だと思いましゅか?」神の返答はない。「正解は電磁波でしゅ。ねー神しゃま。聞いて下ちゃいよぅ、神しゃま」ミハイルは両手で神の体を揺さぶった。「でもでしゅね、神しゃま。何によって光が伝播するのかは未だ解っていないのでしゅ」ミハイルは神を起こすのを諦めた。「神しゃま、音というのは空気の振動によって伝播するのでしゅ。同様に、光も波でありゅのならば、光を伝えるにも何かの存在が必要なのでしゅね。然し未だそれは見つかっていないのでしゅ。猿達はそれをエーテルと名づけ、躍起になって探していましゅ。エーテルは空間を埋めちゅくし、物質の隅々まで浸透し、かちゅ硬い物であると言っていましゅ。しょれともう一つ、光については謎があるのでしゅ。少し前に二匹の猿が、青球(地球)の公転方向にしゅしゅむ光と、しょれに垂直な光の速度の差を測ろうとしたのでしゅが、予想に反して二つの光の速度は全く違わなかったのでしゅ。
「違わなくてええじゃないか」神がむっくりと半身を起こし、寝ぼけまなこで言った。
「しょんな簡単にしゅませられる話じゃないのでしゅ!猿達が光の速度を測ったのは前に報告しましゅたね?」
「ああ。あの歯車を利用したやつじゃろ?」
「光の速度からいえば、しゃっき話した実験で、公転方向に進む光は、垂直方向に進む光に較べて、公転速度のぶんだけ遅くなる筈だったのでしゅ」
「お前、いつの間にかわしより猿に夢中になっとるのう・・・」
「神しゃまぁ」暫くして、また天使は神の元にやって来た。
「また・・・」
「しゃっきの実験で光の速度が違わなかったのは、エーテルの影響だそうでしゅ。エーテルに満たされた空間の中で運動する物体は、エーテルの壁を押してゆく事になりゅので長さが縮んでしまうというのでしゅ。公転方向の光と垂直方向の光で速度は違うのでしゅが、エーテルによって長さが縮む事で相殺されてしまい、結果として同じ速度になるといっていましゅ」
「・・・じゃあなんだ、何だか解らんがわしはそのエーテルいうのをこしらえればええんじゃな」
こうしてこの時から宇宙はエーテルで満たされるようになった。
「神しゃまぁ」優雅にお茶を飲んでくつろいでいる神の元に天使はやって来た。
「どうせ猿じゃろう?ミハイル」神はしかめっ面をして紅茶を口に含んだ。
「神しゃま、エーテルは無くてもいいそうです」瞬間、神は勢いよく紅茶を口から噴き出した。
「光は波であると同時に粒子の性質も併せ持っていると言っていましゅ。であるとしゅれば、媒質であるエーテルは存在の必要が無くなるのでしゅ」
「粒子・・・まあええわ。いや、好くない、好くない。こないだの実験、エーテルで長さが縮んだとかいう。あれはどう説明するんじゃ?」
「よくぞ聞いてくれましゅた神しゃま。ここからが面白いのでしゅ。あの実験は失敗ではないのでしゅ。が、エーテルも必要ないのでしゅ」
「じゃあなんで公転方向と垂直方向で光の速度が違わなかったんじゃ?」
「違っているのでしゅ、神しゃま。青球(地球)の外からその実験を観察すれば。そうすればちゃんと公転方向に進む光は遅くなっているのでしゅ」
「・・・・・・」神はやおら立ち上がると窓の傍に行き、遠くを見つめた。
「時間の流れは観測者によって違うというのでしゅ。時間というものは相対的なものでありゅと・・・」
「エーテルを無くせばええのじゃな」
「はい」
こうして宇宙からエーテルは消え失せ、特殊相対性理論も採用される運びとなった。
いつもの様にミハイルが猿達を観察していると、散歩中の神が寄って来た。「お前、四六時中此処に居るのぉ。もう奴等の事は放って置いたらええじゃないか」
「しょうゆう訳にはいきましぇん、神しゃま。猿達の探究心は尽きる事が無いのでしゅ。しょれより神しゃま、相対性理論の改良版が発表されたでしゅ」
「改良なんかせんでええじゃろ・・・本当に、もう」
「以前の理論は観測者が等速直線運動、ちゅまり、変わらぬ速度で同じ方向に向かっていると仮定した時に成り立つ理論であって、加速度運動、ちゅまり運動の途中で、加速したり向きを変えたりと変化しゅる場合には適用されないのでしゅ」
「ふん」神は最近やさぐれてきていた。
「それから重力に対する矛盾についても改良されました。光速を超える速度は存在しない。というのが相対性理論の柱である訳でしゅが、重力はどれだけ遠く離れた所へも瞬時に力が伝わりましゅ。重力が超光速であるとしたら明らかに矛盾していましゅ」
「ふん」
「そこであの猿は考えましゅた。物質が存在することで周囲の空間が曲がり、それによって引き起こしゃれるのが重力であると」
「うん、解った。はいはい。そういう事にしとくから。わしゃ帰って寝るぞ。な」神は踵を返して去っていった。
こうして一般相対性理論は採用された。
「神しゃまぁ」ディナー中の神の元にミハイルはやって来た。「電子は波としての性質を持っているという猿が現れました。しょの猿によれば、電子だけでなくしゅべての物質は物質波という波であるというのでしゅ。今はこういったミクロの世界の研究が盛り上がっていましゅよ」
神はナイフとフォークをそっとテーブルに置き、天使の方に向き直った。「ミハイル、お前さんこの頃どうかしておるぞ。逐一奴等の動向を報告に来られたのではわしも堪ったものではない。猿達に夢中になるのはええが度をわきまえんと。な、ええか?」
「はい、物質波について詳しい事が解り次第おちゅたえにきましゅ」
神はひっくり返って椅子から落ちた。
案の定ミハイルは直ぐにやって来て、神に量子論について話し始めた。
「電子の居場所がサイコロを振った様に確率でしかわからないとな?」
「そう言っていましゅ。誰にも見られていない時のミクロの物質は、何処か一ヶ所にいると断定出来ない状態だというのでしゅ。誰かに発見された時に初めて居場所が特定しゃれるというのでしゅ」
「これに例えてみよう」そう言って神は目の前のフォークを指差した。「わしやお前が見て居る時、これは此処にある。然し二人共が目を離しておる時には此処に居らんかもしれんて?」
「しゃすがに異を唱える猿達も多いのでしゅ。相対性理論をこしゃえた猿もしょの一匹で、“神はサイコロを振らない”と言っていましゅ」
それを聞いた神は大口を開けて笑い転げた。腹が引きつる程笑った。「あー可笑しい。こ奴等小難しい事ばかり考えよると思っとったら・・・随分とおかしな事を思いつきよるのう。面白い。そういう事にしてやるとしよう」そう言って神はまた笑い出した。
こうして遂に、マクロの相対性理論とミクロの量子力学という、二十世紀物理学の二台巨頭が並び立つことになった。
「神しゃまぁ」一人チェスを指す神の元にミハイルはやって来た。「一般相対性理論と量子力学がどうしても噛み合わないのでしゅ」
「またか・・・」神は駒を持ったままうなだれた。
「しぇつめいしゅるのはしゅごく難しいのでしゅが・・・」
「爺さんにも解る様に説明してくれ」
「自然界には四つの力がありましゅ。強い力、弱い力、電磁力、重力でしゅ。強い力とは陽子と中性子の間に働く力の事です・・・」
「もっと手短に説明してくれんかのう」
「内三つの力は量子力学に組み込めるのでしゅが、こと重力に関しては矛盾が出てきてしまうのでしゅ」
「要するに?」
「二つの理論は相性がわるいのでしゅ。どうしましゅか、神しゃま?」
「知らんがな・・・猿共が自身満々であーだのこーだのと言うから、わしはその通りにしてやってきたのじゃないか。後になって辻褄が合わんと言われてもそんなもん、知らんがな」
「今、猿達は二つの理論を統一しようと躍起になっていまちゅ。あらゆる物はひもから出来ているとか」
「きりが無いのう・・・なあミハイル、そろそろ終わりにしようて。わし、ノイローゼになりそうじゃ」
「神しゃま、まさか・・・」
「猿達の世界よ。消えて無くなれい」神が両手を広げてそう叫ぶと、自身の老廃物から出来た小さな小さな世界は跡形も無く消え去ってしまった。
「あ、そうそう。ミハイル、お前今日から神様な。わしゃもう疲れた」
「えっ」
と天使がいくら注意しても何処吹く風。四六時中何処かしらをボリボリトやっている。ま、要するにズボラなのである。
それでも神様、掻いた後には息を大きく吸い込んでフケやら垢やらを彼方まで吹き飛ばすようにはしていた。一応そのあたりは天使に気を使っているようなのである。
「大変でしゅ神しゃまぁ!」天使が興奮した面持ちで食事中の神の元にやってきた。
「なんじゃいミハイル。忙しない奴じゃのう」
「神しゃま、この間いちゅものように掻き毟った後、老廃物をそのまま放置しゃれたのではないでしゅか?」
「いや、なんじゃその・・・偶々掃除し忘れただけじゃないか。わしじゃって呆けることぐらいある、な。年も年じゃし。いつもいつもそうなら責められても仕方ないかもしらんが・・・」
「注意しに来たのではありましぇんよ神しゃま!神しゃまが放置なしゃった老廃物に異変が起こったのでしゅ」
「異変?はて、一体何かのう」神は頭をボリボリと掻いた。
「しょれがどうやら生命が誕生したようなのでしゅ」
神は天使の後について件の現場に行ってみた。
「ここでほら、ザワザワと何やら音が聞こえまちぇんか?あしょこのフケから発っしゃれているのでしゅ」そう言って天使は一点の空間を指差した。
「わしの視力じゃ何も見えんぞい。拡大してくれ」
天使が手で大きく円を描いて対象物を拡大してみせると、神の目の前に燃え盛る小さな球状の物体とその周りを回るさらに小さな幾つかの球が映しだされた。
「わしは自分のフケを拡大して見たのは初めてじゃ。こんな風になっとるのか。然し何でぐるぐる回っとるのじゃろ」
「おしょらくパズルに興じる神しゃまの脳波が伝染してしまったのでちゅ。神しゃま、あの青い球が見えましゅか?」
神は目を凝らして目の前の老廃物を探った。「おお、あったあった。見えるぞい」
「あの球でしゅ。さらに拡大してみましゅよ」再度天使が手で円を描くと、二人の眼前に全身毛むくじゃらで棍棒を手にした類人猿が現れた。「彼等でしゅ」
「ほう、こりゃたまげた。いや、本当に。こやつらどのぐらいの知能があるのじゃ?あ、殴り合いを始めおった。野蛮な奴らじゃのう」
「どうやら縄張り争いを始めたようでちゅね。惨たらしいので此処を後にちて彼等の住居を見てみまちょう」
景色が変わり、洞穴が映し出された。
「奴らは此処に住んどるのか?」
「中を見て下ちゃい、神しゃま」仄暗い洞穴の中では、雌猿が子供をあやしていた。「壁をみて下ちゃい神しゃま」
神は壁に目をやった。「これは絵じゃな。動物か?へったくそな絵じゃのう。然しミハイル、こ奴等面白そうじゃぞ。暫く観察する事にしよう。退屈しのぎにはぴったりじゃて」
こうして垢から生まれた奇妙な生命の観察が神の余暇に加わった。好奇心に富んだ彼等の行動は何時でも神を驚かせた。
そのうち彼等は文字を開発し、言葉を操るようになった。それにより、より円滑に他者とのコミュニケーションをとる事が可能となり、彼等の生活はより社会性を帯びていった
「ミハイル、こいつ等暦を定めたぞい。あの燃えさかる球があろう?」
「神しゃまの癇癪が反映しゃれたであろう球でちゅね」
「そんな事はどうでもええんじゃて。こ奴等、自分達が居る球が一回転すると一日、火の玉が自分達の周りを一周すると一年、というように定めたんじゃ」
「?逆でしゅよ、神しゃま。火の玉の周りを回っているのでしゅ」
「こ奴等はそうは思ってないんじゃて。ん?面白いな。猿共の言うように変えてやろうか。ほれ、ちょいちょいっと」こうしてこの時から太陽は地球の周りを回るようになった。
「神しゃまぁ」散歩をしている神の元に天使がやって来た。
「なんじゃミハイル」
「猿が地動説を唱えておりましゅ」
「地動説?なんじゃそら」
「火の玉(太陽)が青球(地球)の周りを回っているという天動説に対して、青球(地球)が火の玉(太陽)の周りを回っているというのが地動説でしゅ」
「なんじゃい、今更元に戻せ言うのか?ほっとけ」
暫くしてまたミハイルがやって来た。「神しゃまぁ。猿達が望遠鏡という細長い筒を使って、球を拡大して観察しているでしゅ」
「ふむふむ、それで?」
「一匹の猿がその筒を使い、神しゃまのオナラから成る球(木星)にちいしゃい子分の球があるのを発見したのでしゅ」
「それがどうしたいうんじゃ?」
「天動説によると、青球(地球)が火の玉(太陽)の周りを回るとすると、青球(地球)の子分の小球(月)は何処かに飛んで行ってしまう。らしいのでしゅが、この猿は、もししょうであるのなら火の玉(太陽)の周りを回っている筈の、このオナラ球(木星)の子分がすっ飛んでしまわないのはおかしいと考えたのでしゅ」
「何もおかしくないがな。難しい事を考えよるのう・・・」
「今、別の猿がこの猿の説が正しい事を証明しようとしているのでしゅ」
「うーむ。まあええわ。元に戻してやるとするか」
こうしてまた、地球は太陽の周りを回るようになり、ニュートンはケプラーの法則から万有引力の法則を発見した。
「神しゃまぁ」昼寝をしている神の元にミハイルはやって来た。「神しゃま起きて下しゃい、神しゃまぁ」
「うーん、寝させてくれ」
「猿達が光の正体を突き止めましたよ」
「そうか、そりゃよかった」神は寝たままで答えた。
「神しゃまは光の正体は何だと思いましゅか?」神の返答はない。「正解は電磁波でしゅ。ねー神しゃま。聞いて下ちゃいよぅ、神しゃま」ミハイルは両手で神の体を揺さぶった。「でもでしゅね、神しゃま。何によって光が伝播するのかは未だ解っていないのでしゅ」ミハイルは神を起こすのを諦めた。「神しゃま、音というのは空気の振動によって伝播するのでしゅ。同様に、光も波でありゅのならば、光を伝えるにも何かの存在が必要なのでしゅね。然し未だそれは見つかっていないのでしゅ。猿達はそれをエーテルと名づけ、躍起になって探していましゅ。エーテルは空間を埋めちゅくし、物質の隅々まで浸透し、かちゅ硬い物であると言っていましゅ。しょれともう一つ、光については謎があるのでしゅ。少し前に二匹の猿が、青球(地球)の公転方向にしゅしゅむ光と、しょれに垂直な光の速度の差を測ろうとしたのでしゅが、予想に反して二つの光の速度は全く違わなかったのでしゅ。
「違わなくてええじゃないか」神がむっくりと半身を起こし、寝ぼけまなこで言った。
「しょんな簡単にしゅませられる話じゃないのでしゅ!猿達が光の速度を測ったのは前に報告しましゅたね?」
「ああ。あの歯車を利用したやつじゃろ?」
「光の速度からいえば、しゃっき話した実験で、公転方向に進む光は、垂直方向に進む光に較べて、公転速度のぶんだけ遅くなる筈だったのでしゅ」
「お前、いつの間にかわしより猿に夢中になっとるのう・・・」
「神しゃまぁ」暫くして、また天使は神の元にやって来た。
「また・・・」
「しゃっきの実験で光の速度が違わなかったのは、エーテルの影響だそうでしゅ。エーテルに満たされた空間の中で運動する物体は、エーテルの壁を押してゆく事になりゅので長さが縮んでしまうというのでしゅ。公転方向の光と垂直方向の光で速度は違うのでしゅが、エーテルによって長さが縮む事で相殺されてしまい、結果として同じ速度になるといっていましゅ」
「・・・じゃあなんだ、何だか解らんがわしはそのエーテルいうのをこしらえればええんじゃな」
こうしてこの時から宇宙はエーテルで満たされるようになった。
「神しゃまぁ」優雅にお茶を飲んでくつろいでいる神の元に天使はやって来た。
「どうせ猿じゃろう?ミハイル」神はしかめっ面をして紅茶を口に含んだ。
「神しゃま、エーテルは無くてもいいそうです」瞬間、神は勢いよく紅茶を口から噴き出した。
「光は波であると同時に粒子の性質も併せ持っていると言っていましゅ。であるとしゅれば、媒質であるエーテルは存在の必要が無くなるのでしゅ」
「粒子・・・まあええわ。いや、好くない、好くない。こないだの実験、エーテルで長さが縮んだとかいう。あれはどう説明するんじゃ?」
「よくぞ聞いてくれましゅた神しゃま。ここからが面白いのでしゅ。あの実験は失敗ではないのでしゅ。が、エーテルも必要ないのでしゅ」
「じゃあなんで公転方向と垂直方向で光の速度が違わなかったんじゃ?」
「違っているのでしゅ、神しゃま。青球(地球)の外からその実験を観察すれば。そうすればちゃんと公転方向に進む光は遅くなっているのでしゅ」
「・・・・・・」神はやおら立ち上がると窓の傍に行き、遠くを見つめた。
「時間の流れは観測者によって違うというのでしゅ。時間というものは相対的なものでありゅと・・・」
「エーテルを無くせばええのじゃな」
「はい」
こうして宇宙からエーテルは消え失せ、特殊相対性理論も採用される運びとなった。
いつもの様にミハイルが猿達を観察していると、散歩中の神が寄って来た。「お前、四六時中此処に居るのぉ。もう奴等の事は放って置いたらええじゃないか」
「しょうゆう訳にはいきましぇん、神しゃま。猿達の探究心は尽きる事が無いのでしゅ。しょれより神しゃま、相対性理論の改良版が発表されたでしゅ」
「改良なんかせんでええじゃろ・・・本当に、もう」
「以前の理論は観測者が等速直線運動、ちゅまり、変わらぬ速度で同じ方向に向かっていると仮定した時に成り立つ理論であって、加速度運動、ちゅまり運動の途中で、加速したり向きを変えたりと変化しゅる場合には適用されないのでしゅ」
「ふん」神は最近やさぐれてきていた。
「それから重力に対する矛盾についても改良されました。光速を超える速度は存在しない。というのが相対性理論の柱である訳でしゅが、重力はどれだけ遠く離れた所へも瞬時に力が伝わりましゅ。重力が超光速であるとしたら明らかに矛盾していましゅ」
「ふん」
「そこであの猿は考えましゅた。物質が存在することで周囲の空間が曲がり、それによって引き起こしゃれるのが重力であると」
「うん、解った。はいはい。そういう事にしとくから。わしゃ帰って寝るぞ。な」神は踵を返して去っていった。
こうして一般相対性理論は採用された。
「神しゃまぁ」ディナー中の神の元にミハイルはやって来た。「電子は波としての性質を持っているという猿が現れました。しょの猿によれば、電子だけでなくしゅべての物質は物質波という波であるというのでしゅ。今はこういったミクロの世界の研究が盛り上がっていましゅよ」
神はナイフとフォークをそっとテーブルに置き、天使の方に向き直った。「ミハイル、お前さんこの頃どうかしておるぞ。逐一奴等の動向を報告に来られたのではわしも堪ったものではない。猿達に夢中になるのはええが度をわきまえんと。な、ええか?」
「はい、物質波について詳しい事が解り次第おちゅたえにきましゅ」
神はひっくり返って椅子から落ちた。
案の定ミハイルは直ぐにやって来て、神に量子論について話し始めた。
「電子の居場所がサイコロを振った様に確率でしかわからないとな?」
「そう言っていましゅ。誰にも見られていない時のミクロの物質は、何処か一ヶ所にいると断定出来ない状態だというのでしゅ。誰かに発見された時に初めて居場所が特定しゃれるというのでしゅ」
「これに例えてみよう」そう言って神は目の前のフォークを指差した。「わしやお前が見て居る時、これは此処にある。然し二人共が目を離しておる時には此処に居らんかもしれんて?」
「しゃすがに異を唱える猿達も多いのでしゅ。相対性理論をこしゃえた猿もしょの一匹で、“神はサイコロを振らない”と言っていましゅ」
それを聞いた神は大口を開けて笑い転げた。腹が引きつる程笑った。「あー可笑しい。こ奴等小難しい事ばかり考えよると思っとったら・・・随分とおかしな事を思いつきよるのう。面白い。そういう事にしてやるとしよう」そう言って神はまた笑い出した。
こうして遂に、マクロの相対性理論とミクロの量子力学という、二十世紀物理学の二台巨頭が並び立つことになった。
「神しゃまぁ」一人チェスを指す神の元にミハイルはやって来た。「一般相対性理論と量子力学がどうしても噛み合わないのでしゅ」
「またか・・・」神は駒を持ったままうなだれた。
「しぇつめいしゅるのはしゅごく難しいのでしゅが・・・」
「爺さんにも解る様に説明してくれ」
「自然界には四つの力がありましゅ。強い力、弱い力、電磁力、重力でしゅ。強い力とは陽子と中性子の間に働く力の事です・・・」
「もっと手短に説明してくれんかのう」
「内三つの力は量子力学に組み込めるのでしゅが、こと重力に関しては矛盾が出てきてしまうのでしゅ」
「要するに?」
「二つの理論は相性がわるいのでしゅ。どうしましゅか、神しゃま?」
「知らんがな・・・猿共が自身満々であーだのこーだのと言うから、わしはその通りにしてやってきたのじゃないか。後になって辻褄が合わんと言われてもそんなもん、知らんがな」
「今、猿達は二つの理論を統一しようと躍起になっていまちゅ。あらゆる物はひもから出来ているとか」
「きりが無いのう・・・なあミハイル、そろそろ終わりにしようて。わし、ノイローゼになりそうじゃ」
「神しゃま、まさか・・・」
「猿達の世界よ。消えて無くなれい」神が両手を広げてそう叫ぶと、自身の老廃物から出来た小さな小さな世界は跡形も無く消え去ってしまった。
「あ、そうそう。ミハイル、お前今日から神様な。わしゃもう疲れた」
「えっ」
いそーんです
いったいどうしたら作家になれるのでしょう?そりゃ勿論賞を獲ればいいだけの話で
それが出来ないのであれば貴方に才能がないのでしょう。と、言われれば
へえ、貴方様のおっしゃるとおりでげす てな感じでぐうの音もでないのですが
いかんせんチャンスが少なすぎるのですよ。自分にとっては。
当方短編SF(少し不思議)をメインに書いている男です。その多くはショートショートです。
なので、出版社の主催するコンテストの応募条件を充たせない物がおおいのです。
日本の出版社は小説の持込を受け付けておりません。それを承知の上で、何とか自分の小説を読んで
もらいたくて、出版社に赴いたこともあります。が、やはり門前払いでした。
とはいっても諦めるつもりは毛頭ありません。今の時代、個人で電子書籍販売という手もありますし
なんらかの手を打っていきたいと思います。
次回、一本だけ小説をアップしようと思います。それを読んで、あーこいつはこういうのを書くのか と
知っていただければ幸いです
当ブログでは小説についてだけでなく、いそーんが普段思っていることなど(特に科学ニュースについて)
なども記事にしたいと思います どうかお付き合い下さい
それが出来ないのであれば貴方に才能がないのでしょう。と、言われれば
へえ、貴方様のおっしゃるとおりでげす てな感じでぐうの音もでないのですが
いかんせんチャンスが少なすぎるのですよ。自分にとっては。
当方短編SF(少し不思議)をメインに書いている男です。その多くはショートショートです。
なので、出版社の主催するコンテストの応募条件を充たせない物がおおいのです。
日本の出版社は小説の持込を受け付けておりません。それを承知の上で、何とか自分の小説を読んで
もらいたくて、出版社に赴いたこともあります。が、やはり門前払いでした。
とはいっても諦めるつもりは毛頭ありません。今の時代、個人で電子書籍販売という手もありますし
なんらかの手を打っていきたいと思います。
次回、一本だけ小説をアップしようと思います。それを読んで、あーこいつはこういうのを書くのか と
知っていただければ幸いです
当ブログでは小説についてだけでなく、いそーんが普段思っていることなど(特に科学ニュースについて)
なども記事にしたいと思います どうかお付き合い下さい



